しじみの旨味成分ってどんなもの?
しじみには多くの旨味成分が含まれる
しじみはオルニチンをはじめとするアミノ酸やビタミン・ミネラルが豊富なことで有名ですが、忘れてならないのが旨味成分です。旨味成分はただ食事を美味しくするだけのものではなく、健康効果も認められているもの。そんな旨味成分について、解説していきましょう。
旨味成分とは
しじみ汁を飲んだときに感じる深い味わいが「旨味」です。人の味覚で感じる甘味、酸味、塩味、苦味に次ぐ5番目の味になり、料理の美味しさを生み出す大切な役割を果たすものです。
旨味成分にはいくつか種類があり、アミノ酸系、核酸系、有機酸系の3種類に分けられます。このうちしじみに含まれている旨味成分はアミノ酸系のグルタミン酸と遊離アラニン、有機酸系のコハク酸です。
これらはしじみに深い味わいを与えるだけでなく、健康効果ももたらしてくれます。
コハク酸
コハク酸は貝類に多く含まれている旨味成分です。食品添加物としても認可されていて、加工食品の腐敗や変色を防止ためのpH調整剤、お酢や醤油などに酸味を付ける酸味料としても使用されています。
コハク酸の効果
コハク酸には体内で生命活動に必要なエネルギーを生み出す働きに関わり、大切な役割を担っています。コハク酸を摂ることでエネルギー代謝が活発になることから、血流を良くする効果が発揮されるでしょう。
また、筋肉細胞のエネルギー源になる酸素を生成する作用があり、脂肪燃焼や疲労回復にも役立つとされています。
グルタミン酸
グルタミン酸は非必須アミノ酸のひとつです。化学調味料の原料にもなっているので、知っている人も多いでしょう。
グルタミン酸の効果
グルタミン酸は脳に多く存在するアミノ酸で、記憶や学習に重要な役割を果たしています。摂取することで脳神経細胞のエネルギー源になり、脳の働きを高めることからブレーンアミノ酸とも呼ばれているもの。イライラなどを鎮めるなど、神経を安定させる効果があります。
また、グルタミン酸は体内でエネルギーを生み出す機能に関与するもので、速攻性のエネルギーを作り出す効果があります。これにより、疲労回復効果が期待できるでしょう。
遊離アラニン
遊離アラニンも非必須アミノ酸で、主に甘味を引き出す旨味成分です。
遊離アラニンの効果
遊離アラニンはタンパク質を構成するアミノ酸とは異なり、血中や肝臓で働きます。とくに肝臓でエネルギーを作る働きをするため、肝臓の機能を高める効果が期待できるでしょう。アルコールの分解にも働きかけ、二日酔いの原因物質と言われるアセトアルデヒドの血中濃度を下げるという効果が実験で確認されています。
まとめ
しじみに含まれる旨味成分について説明しました。しじみで作る味噌汁などはいいダシが出るので、その味わいも人気のひとつですね。旨味成分は料理をおいしくするだけでなく、健康効果も期待できるのは、知らなかった人も多いと思います。これでますます、しじみをたくさん食べたくなることでしょう。
【参考文献】
しじみに含まれるグルタミン
http://www.provia-climatechange.org/ABOUT/PriorityActivities/Activity4/tabid/55274/Default.aspx