しじみの種類
しじみには種類がある
味噌汁などでおなじみのしじみは、健康効果を求めて食べている人も多いでしょう。スーパーなどで見かけるしじみは1種類だけのようにも見えますが、実は日本在来種だけでも3種類あります。
どのような違いがあるのか、見ていきましょう。
日本在来種のしじみは3種類
しじみは北海道から九州まで日本全国で生息しています。生息地は淡水の河川や湖や、淡水と海水が混じる汽水域で、ヤマトシジミ、マシジミ、セタシジミという3つの種類が存在しています。
ヤマトシジミ
ヤマトシジミは汽水域に生息するしじみで、全国で採れるしじみの9割を占めています。海水が混じる汽水域はプランクトンなどの栄養成分や塩分が多く、ヤマトシジミは淡水域に生息するしじみに比べて栄養価が高いという特徴があります。オルニチンをはじめアミノ酸が豊富で、ビタミン・ミネラルもバランスよく含まれているのです。
ヤマトシジミは黒っぽくツヤがあり、3cmほどで小ぶりです。私たちが普段スーパーなどで見かけているしじみは、ほぼヤマトシジミと言っていいでしょう。主な産地は青森県の十和田湖や島根県の宍道湖で、品質の高いヤマトシジミが収穫されています。
1年を通して収穫されていますが、年に2回、夏と冬に旬の時期があります。夏の産卵期には身が大きくなり栄養価も高く、「土用しじみ」と呼ばれ夏の滋養食として用いられます。冬の寒い時期は身が引き締まり、旨味成分のアミノ酸をたっぷり溜め込むことに。味わいが深くなり「寒しじみ」と呼ばれて食卓を賑わせています。
マシジミ
マシジミは淡水域に生息するしじみです。北海道を除く東北から四国、九州に分布し、水田の周りにある小川を中心に生息しています。近年は農薬や化学肥料の影響、河川の改修などの大きな環境変化によりほとんど姿を消し、流通には出回っていません。
セタシジミ
セタシジミは淡水域に生息するしじみで、滋賀県の琵琶湖や周辺の河川のみに存在する固有種です。しじみの中でも味が良いということで定評があり、以前は多く取れて市場に出回っていました。しかし、近年は琵琶湖の水質変化や護岸の改修などで漁獲高が激減しています。
セタシジミは秋田県八郎潟や諏訪湖や河口湖などにも移殖されているので、今後の繁殖が期待できるかもしれません。
現在は琵琶湖周辺や京都などで、わずかに売りに出されていて、希少価値が人気を呼んでいます。
冬から春にかけて旬を迎え、身が大きく旨味成分や栄養価も高くなります。
まとめ
しじみの種類をご紹介しました。現在、食卓にあがる国産のしじみはほとんどヤマトシジミです。日本全国で収穫されますが、近年は環境の悪化などの影響で収穫量が年々減少し、価格は上昇しています。その代わり価格の安い輸入しじみが増え、その輸入量は日本の漁獲量を上回るほど。日本のしじみ漁業の衰退が心配されています。